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呼吸器外科

概要

気管支鏡を挿入中の様子

 一般に「外科」とは腹部の消化器の外科をさす場合が多いですが、「呼吸器外科」は呼吸器の病気を対象にした手術を行う「科」です。呼吸器には口から気管、気管支を主とする気道や肺が含まれます。口に近い部位は耳鼻咽喉科で取り扱っており、首より下の部分を対象としています。また、胸壁にある乳腺は別個に取り扱っていることが多いようで、当院でも乳腺外科が治療にあたります。呼吸器以外では胸部で左右の肺に囲われた部位である縦隔(図参照)も対象としています。そこには気道以外に、心臓含め血管や食道や交感、副交感や横隔神経などの多くの神経や胸腺などの特殊な臓器も含まれており、その多様性のために病気も様々です。縦隔にある心臓は「心臓外科」が、食道は「外科」を含めた「消化器外科」が取り扱うことが多いことから、それ以外の気道病変やその部分に出来る腫瘍が治療の対象となることが多いようです。「呼吸器外科」の中で、最も多い病気としては肺癌があげられますこの病気は胸の奥にあるために、診断は簡単には付きません。胃カメラのような、細い肺カメラ(気管支鏡)を行ったり、直接に腫瘍を針で突いて細胞をとったりして、癌と診断する様々な方法を駆使して、診断を得ることになります。肺癌は手術をすることが最も良い治療のひとつとされますが、肺のあらゆる場所に出来るので、1時間程度で終わるものから、10時間以上かかるものまで様々です。 
 また、すぐに手術が出来ない進行した状態でも、抗がん剤や放射線治療を行うことで、手術が可能になる場合もあり、それらの治療も行っております。この数年間で肺がんの遺伝子を識べて適切な遺伝子治療薬を用いることによって、良好な成績を治めることができるようになってきております。進行して、手術で完全に取れない患者では、当院の精密な放射線治療や適切な抗がん剤を用いることで、数年にわたって安定して生活できている患者さんもおられます。

がん診療に関するパンフレット

 まとめますと、「呼吸器外科」が取り扱う主な病気としては気胸、肺癌、気管気管支腫瘍、縦隔腫瘍、横隔膜疾患などがあげられます。それらの疾患では手術だけでなく、抗がん剤や放射線治療を組み合わせて、当科で適切な治療を行っております。それ以外に、手掌多汗症を扱っています。これは、手術部位が胸腔(胸の中)にある胸部交感神経幹であるために、呼吸器外科医が治療の対象としていることが多いようです。

 

外来診療担当表

 
午前診  大迫 大迫 
(午前診)9時~12時

 

医師紹介

大迫 努(部長)
学歴
関西医大(1973年卒)
資格
医学博士
日本外科学会専門医
日本呼吸器外科学会専門医・特別会員
日本呼吸器学会専門医
日本呼吸器内視鏡学会専門医・名誉会員
近畿外科学会名誉会員
日本医師会産業医
緩和ケアの基本教育に関する
 指導者講習会修了

特長

肺がん手術を行っております

 呼吸器外科はこの20年間で大きな変化が起こりました。それは胸腔鏡手術(内視鏡手術)です。従来の開胸手術は15㎝から30㎝の傷で、時には肋骨を切り取って手術してきましたが、この胸腔鏡手術では最も大きな傷は4cmで、肋骨に傷を付けません。それを含め2cm程度の傷を2か所、計3か所の傷で手術を行います。傷が小さい分、術後の痛みは少なく、患者さんにやさしい手術です。そんな小さな傷で肺が取り出せることに疑問を持たれるのは、当然です。肺は空気で膨れており、4㎝の傷でほとんどの肺癌が手術できるのです。もちろん、以前の大きな傷の手術と同じぐらい、またそれ以上の良好な結果を得ております。
 また、当院では肺癌の治療方法は手術だけではありません。抗がん剤と放射線治療の3本の柱がすべて可能です。ご存知のように肺癌は特に治療の難しい癌です。手術だけで治るものもありますが、進行した肺癌も多いのです。それらの患者さんにはその3つの治療法を組み合わせることで、患者さんに一番いい治療法をご相談して選択していただきます。
 肺癌以外にも、気胸や縦隔腫瘍の治療も行っていきたいと思います。さらに手掌多汗症といって、手のひらの汗が異常に多い病気があります。セカンドバッグが持てなかったり、汗で紙にシミができるために字が書けなかったり、保母や美容師さんのように手を使う仕事の方には、胸の中の交感神経を一部切除することで、著明に改善します。またその傷は針でついたように非常に小さく、しかも脇の下につくために、ほとんど気にならないものです。以上のように患者さんにとって、優しく、しかも効果的な治療に邁進する所存であります。

手掌多汗症の方へ

 手、脇の下、ちょっとした緊張やストレスでたくさんの汗をかいてしまい困っているという方に対して、ETS(胸腔鏡下交感神経遮断術)を実施しています。

  • 脇の下に3ミリの穴を3ヶ所あけ、内視鏡を入れます。
  • 映像で確認しながら2mm程度の交感神経の束を切断します。
  • 全身麻酔が必要ですが手術自体は1~2時間程度で終わります。
  • 健康保険が適用されます。