糖尿病内科
概要
週4回の糖尿病専門外来(予約制)を実施しています。血糖コントロール不良の患者さんに対して、外来で糖尿病療養指導看護師が同席し、食事療法の問題点を患者さんとともに見つけ出し、食事療法を自己管理していくサポートを行います。また管理栄養士からの栄養指導、理学療法士からの運動療法指導、薬剤師による治療薬の説明も実施しています。
さらに本来は入院が必要なインスリン療法の導入指導も、患者さんがご多忙の場合には外来で行っています。
糖尿病性腎症から末期腎不全へ進行し透析を余儀なくされる患者数が増加しています。末期腎不全への進行を予防するため、透析予防指導を積極的に実施 しています。尿中塩分排泄を定量して推定一日塩分摂取量による減塩指導を行います。またクレアチニンの推移データから透析が必要となる時期を予測することで、具体的な治療指標を設定した指導を目指しています。
健診で糖尿病を疑われた方、糖尿病のコントロールがうまくできない方、合併症が進行し悩んでおられる方など、糖尿病診療に関してどんなことでもよいのでお気軽にご相談ください。
特長
糖尿病診療チームによるチーム医療
現在わが国では2型糖尿病の患者は予備軍を含めると2000万人に上ります。その治療を円滑に行い糖尿病由来の臓器障害(合併症)を防ぐことは日本の医療の中心課題の一つです。
2型糖尿病の治療は患者さんが主役であり、食事・運動療法の自己管理が重要です。さらにインスリンなどの薬物管理も患者さん自身が正しく理解し自己血糖測定など実践していく必要があります。そのために正確な知識の習得が必要であり、糖尿病診療スタッフチームによるサポートが不可欠です。
当院では糖尿病診療に専門性を持つ医師・日本糖尿病療養指導資格を持つ看護師・管理栄養士・薬剤師・理学療法士などからなる糖尿病診療チームをつくり外来や病棟での診療にあたっています。また京都府の糖尿病療養指導資格を取得した外来看護師も増え診療体制に厚みがでてきました。
糖尿病薬物治療は日進月歩です。そのため外部の研究会・学会にも積極的に参加し、習得した知見を月1回のカンファレンスの場でスタッフ間で知識を共有し、チーム全体の診療技量の向上に努めています。たとえば最近、糖尿病の心血管合併症を抑えることが明らかとなってきたメトホルミンやSGLT-2阻害薬などの新規の経口薬、GLP-1作動薬などの注射薬を積極的に診療に取り入れています。
さらに地域の皆様に糖尿病の知識を普及するために、2か月に一度市民向けの糖尿病講座を開催し、各スタッフメンバーが持ち回りで講演しています。
入院での糖尿病診療
糖尿病の合併症(臓器障害)進展を防止するためには、糖尿病自己管理に必要な知識をまとまった形で短期に集中して習得することが効果的と考えられます。そのための糖尿病教育パス入院を当院では実施しています。また多忙な患者さんの日常の妨げにならないように5日間と短縮プログラムを組んでいます。
糖尿病診療の各スタッフが連日1時間程度患者さんと向き合い、直接個別型のミーティングを実施しています。
糖尿病合併症診療に対する取り組み
糖尿病の臓器障害(合併症)は従来知られている網膜症・腎症・神経症や動脈硬化による脳梗塞・心筋梗塞・下肢の閉塞性動脈硬化症のほか近年骨粗鬆症・サルコペニア(筋肉萎縮)・認知症・がんなど多岐にわたることが最近明らかとなってきました。
これらの合併症の早期発見・治療のために、当院では眼科(漆﨑部長)、腎臓内科(沖垣部長)・透析室・神経内科(中崎部長)、心臓カテーテルに専門性を持つ循環器内科(同法人内、佐藤病院循環器科の石川副院長)、外科・整形外科スタッフなど、横の連携を密にとり効率の良い合併症の対策をおこなっています。さらに骨密度精密測定機器・MRI/CTなど合併症評価に不可欠な画像機器がほぼ予約なしでとれる状態にあり、万全の診療体制をとっています。