vol.9 カンゾウ先生コラム 女性のアルコール性肝障害に注意
アルコール性肝障害は近年増えている病気です。注目されるのは女性にもアルコール性肝障害患者が多いということです。いわゆる水商売の女性には昔からアルコール性肝障害がみられました。いまは多くの女性たちが仕事の後に毎日晩酌をしてワイン1本を開けてしまう!ご主人に勧められるままに一緒に晩酌をしてたくさんのアルコールを飲むのです。サワーやカクテルなどの普及も手伝っています。
女性が若いうちから日常の生活で酒を飲むことが普通のことになっています。毎晩の多めの飲酒を5年以上続けていると「なんとなく体調がすぐれない」状態になります。
女性の身体は男性に比べてアルコールの解毒の機能が悪い、つまり少ない量のアルコールによって健康を害します。医学の世界では過剰な飲酒の定義が、男性ではエタノールに換算して1日60g以上
5年以上を常習飲酒家と呼ぶのに対し、女性は40g以上と定義されています。実際の医療現場でもアルコール性肝障害が重症化したときに女性のほうが寿命が短い印象です。
日本酒1合180mlがエタノール22gほど。あなたの周りにも酒好きの女性がいるのでは?
日本肝臓学会専門医 小野直美